YAMAHA K-8

 

As_bought ヤマハのK-8は2ヘッドですが、以前から気になっていた1台です。ヤマハと言えば世界に誇る日本の楽器メーカですが(車やボートのエンジンも作ってますね)、約35年前当時(もうすぐ40年か)、個人的な感想ですが、ホームオーディオに関してはモニタースピーカーNS-1000Mは飛び抜けて有名でしたが、アンプ(B-6は見た目インパクトありました)、レコードプレーヤー、チューナー、CDデッキ、そしてカセットデッキでは、飛び抜けた感がありませんでした。このブログでも一部紹介しているK-1000/2000、K-1x/w、KX-640/1000は、いずれもヤマハ歴代の高級3ヘッドデッキですが、仲間内でのオーディオ談義で話題に上ることはなかったと思います。しかしあくまで当時の貧乏学生仲間での話題ですから、ナカミチも話題に上らなかったことを付け加えておきます。さて、K-8に戻りますが、当時現物を目にすることはありませんでしたが、このシンプルなデザインと「NATURAL SOUND」というロゴが非常に興味を引いたものでした。本機はオークションにて通電確認のみのジャンクで入手、2,000円程度だったと思います。外観も破損があり悪かったので競争はありませんでした。出品者から送られてきた箱を開けたところ、写真の状態。ギョッ!最初ヤスデ(ムカデの子供みたいなやつ)の死骸かと思いましたが、よく見ると劣化したカウンターゴムの切れ端でした。オークションの写真にはありませんでしたので、輸送中にデッキの中から出てきたのでしょう。まあ、中古デッキではよくあることです。(笑)

K8_innerK8_inner_reara  2ヘットですのでシンプルな1枚基板構成。録音再生ヘッドの信号線は基板に直にハンダ付けされています。デッキの外まで切れ端が飛び出していたカウンターベルトとフライホイールベルトは完全に朽ち果てて溶け切れていました。右側は底板を外し下から撮したものです。基板は日本語表記なのでメンテなどで分かりやすいです。再生入力、ドルビー回路(NE646N)はR/Lが完全に分かれており、録音とヘッドフォンアンプはそれぞれオペアンプ(4556D)1発になっています。 なお、本機にはヘッドフォン端子はありますが、ボリュームはなく音量は調整できません。

K8_mecha_removed K8_mecha  カセットメカを外したところです。裏で見えませんがプランジャーを2つ使った非常にシンプルなメカ構造になっています。2モータのシングルキャプスタン。大型のフライホイールを装備しています。 録音再生ヘッドGF-13はピュアセンダストで摩耗もあまり見られません。中央のアイドラーはゴム式ですが、これも朽ち果ててひび割れ欠けており、使用できない状態でした。逆にここまでゴム部品が劣化していると、修理する側としては最も単純な故障とみて、安心感があります。

K8_idler K8_idler_run アイドラーを分解したところです。摩耗のカスなどを拭き取り、アイドラーゴムを新しいものに交換します。幸い古いアイドラーの残骸があるので、もとのアイドラーの外形寸法がわかります。ゴム通さんに厚さ2mm、外径20mm、内径14mm、材質NBR、硬度70で注文しました。ゴムは伸びるのでリングの内径が多少小さめ(アイドラー本体プーリー溝の径は14.8mm)でも入ります。逆に大きいとゴムが空回りします。ゴムの加工精度も考えて小さめにします。その場合、装着後は外径は逆に膨らんで20mmよりわずかに大きくなりますが、機能上問題ありません。装着後は右のように絶好調で回りました。

K8_belt フライホイールに張り付いていた古いゴムを引き剥がして丁寧に拭き取った後、新しいベルトを装着します。以前ソニーのデッキでもありましたが、ベルトを仮に引っ掛けるプラスチックの棒(突起)がありました。これにベルトを引っ掛けておき、フライホイール駆動用モーターの付いたシャーシを後ろから装着した後、ベルトをモーターのプーリーに引っ掛けなおします。写真のベルトはやや大きすぎたので、もう少し小さいものに交換しました。

K8_speed K8_speed2 最後にテストテープを用いてテープスピードなどを調整します。調整はフライホイール駆動DCサーボモーター裏面の穴に小さなマイナスドライバーをまっすぐ挿入し、手探りですが内部のサーボ基板の可変抵抗を回して行います。アジマス、F特も見てみましたが、アジマスのズレはあまりなかったものの、オシロで見ると3ヘッドデッキに比べると10kHz以上の落ちが大きいなと思いました。試聴上はあまり感じませんでしたが、自分の耳のF特が落ちているからでしょうね。

K8_finish

1981年頃の発売、上位機種に同じ2ヘッドのK-9(ほとんど見たことがありません)がありますが、dbxが付いている、ヘッドフォンボリュームが付いている以外は主要スペックはK-8と同じです。ボタンの数や配置がわずかに異なりますが、K-8のフロントシャーシには使われていない穴が多くあり、シャーシは共通だと思われます。この頃まではカセットボックスのないオープン型のデッキも色々ありましたが、その後ほとんどなくなってしまいました。カセットの出し入れが早いので、放送局など業務用にはよいのですが、ホコリが入りやすいこと、カセットの固定(位置)が不安定だったのでしょうか。あるいは動作中に誤ってカセットを引っこ抜いて壊れてしまうというトラブルもあったのかもしれませんね。デッキからスピーカーまで手掛けたヤマハ故に、アンプのA-8、チューナーのT-8とのコンポーネントを考慮したデザインですが、期待していた以上にシンプルで美しく、優しく揺れるVUメーターも音楽とゆったりとした時の流れを邪魔しないベストマッチだと思いました。

 

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