Lo-D D-99 (その3)

D99rewind3さて、このメカの巧妙な動きをご説明しましょう。まずは巻き戻し(REWIND)。FF/REWINDアーム(ギア)は裏側でアイドラープーリーに繋がっています。このアームが左に動いて同時に左側のリールを回転させ、テープを巻き取ります。

D99rew3早送りではFF/REWINDアームが右に、FFギアが左上に移動してアームのギアと右側のリールの間で噛み合って右側のリールを回転させます。FF/REWINDアームのギアが常に反時計回りなので、FFギアを途中で挟むことでリールの回転方向を逆転させるのがミソです。ちなみにFFギアは常に右側リールと噛み合っており、FF以外のモードでは空回りしています。このため前の記事で書いたように経年の変形でFFギアの動きが悪くなると、特に再生時に右側リールの回転負荷となり、再生ができなくなります。

D99play3最後再生では、FFギアではなく、ゴムのPLAYアイドラーがせり上がり、FF/REWINDアームと右側リールの間で噛み合って右側リールを回転させ巻き取ります。PLAYアイドラーがFF/REWINDアームの先端の径の細いギアに噛み合うことで、モーターの回転数を落とさず、巻取りリールの回転速度を落とすことができます。さらにPLAYアイドラーが右側リールの外側部分に噛み合うことで、リールのスリップ機構が有効になります。これにより右側のピンチローラーから送り出されたテープを常に適度なテンションで巻き取ることが出来ます。

3さて、本題に戻りますが、本機はメカを組み上げて正常に動作するようになりました。ところが試聴を始めて1時間位でしょうか、何かの拍子にデッキの中からカタッと音がします。それが時間が経つと次第に頻度が高くなりました。それがデッキの動作に何か影響を与えることはないのですが、何の音か非常に気になり不快です。ふとAKAI(A&D)デッキのカタカタ音を思い出しました。しかもそれが電源を落とした後でも、数回音がするのです。開腹して観察すると音は3つあるうちの1つのREWソレノイドから発していることがわかりました。テスタを当ててみると確かに音がする瞬間にソレノイドの端子間に9Vがかかっています。hifiengineからダウンロードしたD-E99のサービスマニュアルの回路図を参考に基板を追って調べると、ソレノイドを制御するスイッチングトランジスターのベース②には制御ICから異常なON信号は来ておらず、スイッチングトランジスターQ415が勝手にON/OFFしていることがわかりました。いわゆるトランジスター単独の故障です。交換です。ついでに残り2つのソレノイドのスイッチングトランジスター2SD947も交換しておきました。これでカタカタ音は消滅しました。制御ICの故障だとお手上げでしたが。

D99headLo-Dの新形状チタン溶射R&Pコンビネーションヘッド、クローズドループデュアルキャプスタン。

D99frontfaceATRS(自動周波数特性補正システム)搭載。Lo-Dのデッキは音がドンシャリ形とよく言われますが、自己録音再生ではそんなことはなく、ソースとの差もかなり小さいと思いました。ATRSも色々なテープで問題なく動作しましたが、もとの音質が高かったせいか、あまり音質の改善は感じられませんでした。

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